はじめまして、旅する保険プロです。
「ネット自動車保険に変えたら、最初の年の保険料が1万円も安くなりました!やっぱり通販型は圧倒的にコスパがいいですね!」
テレビCMやネット広告で「新規加入なら最大1万円割引!」の大合唱を見て、代理店型の保険からネット損保へと乗り換えた方は非常に多いです。1年目のあの安さを味わうと、誰だって得をした気分になりますよね。
しかし、ここにネット自動車保険最大の「釣った魚に餌をあげない」巧妙なシステムが隠されています。
2年目、3年目の更新案内が届いたとき、「あれ? 事故も起こしていないし、ゴールド免許なのに、去年より高くなってないか…?」と首を傾げた経験はありませんか?
30年の現場経験から、ネット損保がパンフレットの隅に小さくしか書かない、2年目からの「値上げのカラクリ」をお話しします。
■ 1年目は「赤字覚悟」、2年目から「回収モード」
ネット損保にとって、最大の難関は「他社から顧客を奪うこと」です。そのため、1年目の「新規契約」に対しては、1万円以上の破格の割引を提示し、ときには米やギフト券などの特典までつけて、なりふり構わず顧客を集めます。
しかし、問題はここからです。
無事に2年目の更新(継続)を迎えたとき、送られてくる案内をよく見てみてください。あの大々的だった「1万円割引」は綺麗さっぱり消え去り、代わりに申し訳程度に「継続割引:2,000円」などと書かれているはずです。
つまり、事故をしていなくて等級(割引率)が上がっているはずなのに、「新規割引がガクンと減った(または消滅した)せいで、実質の支払額が前年より高くなる」という現象がごく普通に起きています。これが、ネット損保が仕掛ける「2年目からの回収モード」の正体です。
■ 面倒くさがりの心理を突いたシステム更新
さらに巧妙なのが、ネット損保全体の「基本料の改定(値上げ)」です。
ここ数年、車の修理費の高騰や部品不足を理由に、自動車保険料は業界全体で値上げ傾向にあります。
ネット損保は、1年目は他社より1円でも安く見せるためにギリギリの価格を出してきますが、2年目以降の既存客に対しては、システムの自動更新に紛れ込ませて、基本料の値上げを淡々と反映させてきます。
「一度ネットでクレカ登録したし、マイページからボタン一つで更新できるから、今年もこれでいいや」
保険会社はこの「毎年見直すのは面倒くさい」というユーザーの心理を完全に計算に入れています。営業マンが目の前にいないネット型だからこそ、システムが誰にも文句を言われず、あなたの財布から静かにお金をむしり取っていくのです。
■ 自動車保険に「忠誠心」はいらない
「一度ネット保険に入って安くなったから、ずっと安心」という思考停止は、今すぐやめてください。ネット損保において、同じ会社に何年もとどまり続けることは、保険会社の格好のターゲットになりにいっているようなものです。
旅する保険プロとして、私が現場からお届けする鉄則はひとつです。
「自動車保険に『忠誠心』を持つな。毎年、新規のつもりで見直せ」ということです。
満期の1ヶ月前になったら、自動更新のボタンをポチッと押す前に、一括見積もりサイトなどを一回挟んで他社を比較してください。そして、別のネット損保へ「新規」として乗り換える。これだけで、毎年「新規加入の最大割引」というメリットだけを確実に受け取り続けることができます。
あるいは、毎年そんな見直しをするのが本当に面倒なのであれば、最初から3年間の長期契約ができて、期間中に万が一事故を起こしても途中で保険料が上がらない「代理店型の3年長期保険」を組む方が、トータルでの安心感も、事故時の守られ方も圧倒的に上になります。(※ちなみに、ネット損保の『事故対応のリアルな大変さ』については、長くなるのでまた別の記事でじっくり暴露しますね)。
「更新の手軽さ」という綺麗事に騙されてはいけません。2年目からの数字の裏側を見抜き、あなたの財布を守るための「賢い選択」をしていきましょう。

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