はじめまして、旅する保険プロです。
「マイホームを買ったときに火災保険を10年一括で払ったから、しばらくは一安心。次の更新のときも、また同じように10年で入ればいいよね」
もしあなたがそんな風に考えているなら、数年後の更新手続きの案内を見た瞬間に、言葉を失うほど驚くことになります。
なぜなら、私たちが当たり前だと思っていた火災保険の「10年契約」は、数年前に日本から完全に姿を消して廃止されているからです。今の仕組みでは、火災保険は最長でも「5年」までしか契約することができません。
「期間が短くなっただけなら、5年ごとに手続きすればいいだけでしょ?」
そう甘く見ていると、知らぬ間に負担が増えていきます。この「5年縛り」の裏に隠された、持ち家オーナーの財布を直撃する冷酷な現実をお話しします。
■ 昔は35年、今は5年。なぜ期間が短くなるのか?
その昔、住宅ローンを組んで家を買うときは、ローンの期間に合わせて火災保険も「35年分をドカンと一括払い」するのが当たり前でした。それが2015年に最長10年に縮められ、そして2022年10月からは、ついに最長「5年」にまで短縮が行われました。
なぜ、保険会社は長期契約を辞めてしまったのでしょうか。理由は、地球温暖化による「大型台風やゲリラ豪雨の多発」です。
10年や35年といった長期で契約を結んでしまうと、その間にどれだけ災害が増えても、保険会社は途中で保険料を値上げすることができません。
これだけ気候が激変する時代において、10年先の災害リスクを予測するのは不可能。だからこそ、最長5年に縛ることで、「時代の変化に合わせた最新の保険料(値上げされた価格)を、こまめに反映できるシステム」に作り変えたのです。
■ 割引が減り、5年ごとに襲いかかる「値上げ」の恐怖
契約期間が10年から5年に半分に縮まったことで、持ち家オーナーには2つの現実が襲いかかります。
1つ目は、「長期一括払いの割引率が減った」ことです。10年分をまとめて払うからこそ安くなっていた恩恵が、5年分までしか効かなくなったため、実質的には目に見えない値上げが始まっています。
2つ目は、「5年ごとに、その時の最新の保険料で契約を結び直さなければならない」ことです。しかも、これからの日本は、異常気象の影響で火災保険料が下がる要素がなかなか見当たりません。5年後、10年後と満期を迎えるたびに、「前より高くなっている…」という負担増が、あなたがマイホームに住み続ける限り現実として迫ってきます。
■ 5年縛りを逆手に取る、旅する保険プロの知恵
「ルールが変わってしまったから、高くなっても諦めて同じ内容で入り直すしかない」という思考停止は、今すぐやめてください。
旅する保険プロとして、私が現場からお届けする鉄則はひとつです。
「5年ごとにやってくる契約の節目を、プランの『大掃除』のチャンスに変えろ」ということです。
家を買った当初は、不動産屋や銀行に言われるがまま「全部入りのフルカバー(水災・破損・汚損など)」でガチガチのプランに入っている人がほとんどです。
しかし、5年経てば、あなたの地域のハザードマップ(水害のリスク)の最新データが分かります。「うちはマンションの高層階だから水災はいらない」「高価な家財はもう処分したから、家財保険の金額を下げよう」といった、現状に合わせた無駄な補償の削ぎ落としができるのです。
「一度入ったから安心」という綺麗事に騙されてはいけません。5年ごとにあなたの目で厳しくプランを見直し、値上げの波に負けない賢いマイホーム防衛をしていきましょう。

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